【英語ヒアリング特訓本】聞こえない短縮の'dをhave又はhadなのか判断する方法
『聞こえない』短縮の'dをhave又はhadなのか、どのように判断するか?
脱落した音を聞こえるはずがない
ネイテイブスピーカーがゆっくりと発音してくれれば聞き取れるが、映画や日常の会話のスピードでは日本人の耳にはなかなか正確に聞き取ることはできません。
ネット上では「聞き流すだけで聴きれるようになる」「耳が慣れてきます」など甘い言葉で英語教材やセミナー勧誘広告があふれています。
しかしながら、何回聞いても聞こえるはずがありません。その理由はシンプルです。発音していないからです。音が「脱落」しているのです。これで何回聞いても聞こえることはありません。
『聞こえない』短縮の'dをhave又はhadなのか、どのように判断するか?
リーデイング、英文であれば文字を見ているので、they'dであれば「'd」はhadに決まっています。当然のことです。
ヒアリングのとき、短縮形の「'd」の場合、
この「'd」の次が破裂音、例えば「b」の場合、短縮形の「'd」は発音しません。(できません)➡音は聞こえません。
「'd」は、「脱落」しているのですから聞こえるはずがありません。
そもそも、「~d 」 + 「b~」 のパターンは、~dを発音するのは困難です。
例文)
They'd been to see the play that afternoon.
(ビンスイープレナフタヌーン)
少し無理がありますが、上記の発音をカタカタで表すと、こんな感じです。(実際は違います。)
have又はhadなのか、どのように判断の仕方
まず、面倒なのは、Theyが先頭の文の場合、Theyの音も低く、弱い「セ」くらいになります。
この聞こえにくい「セ」を聞き落としてしますと、ヒアリングのとき複数のことを言ってるのか単数の人のことを言ってるのか分からなくなります。
聞きおとしてしまった場合は、話の前後から推測するしか方法はありません。
さて、本題にはいります。
短縮形(They had)They'dの「'd」は、上述の通りまったく聞こえません。理由は、「'd」の次の音が、破裂音のbで始まるbeenだからです。
音を強調して破裂させる「破裂音」は、元々弱い「'd」の音を消してしまいます。
そして、beenの音「ビン」だけが耳に残ります。
They'd been to see the play that afternoon.
(ビンスイープレナフタヌーン)
Theyは、ほとんど聞こえない上に、'dの音は脱落している。でも、文全体「They'd been to see the play that afternoon.」を現在のことなのか、過去のことなのか、つまり時制を正しく判断しなけれは、文の意味を正確に理解できません。
ここが分からないと、「They'd been to see the play that afternoon.」を「誰かが、試合を午後に観見ているのか、観ていた」くらいの理解になります。
ネイテイブスピーカーが発音した「They'd been to see the play that afternoon.」を聞いたとき、正確に理解するためには、聞こえていない「'd」がhave / hadなのか瞬時に判断しなければなりません。
つまり「They ( ) been to see the play that afternoon.」の状態で、聞こえない( )の短縮形を推測しなければなりません。
しかしながら、エスパーでもない限り「'd」が聞こえないのに判断できるはずがありません。
いったいどうすれば?
では、どうするか、「文法」知識+「耳の良さ」です。
まず、beenの「ビン」の音、少なくとも「ビ」を聞き落としてはいけません。これを聞き落とすと、どうしようもありません。これ以降、読む必要はないです。
beenさえ、聞き落とさなければ、次のthat afternoonのthatを聞き取る必要があります。
そうすれば、that afternoon のthatから、文法的判断で、聞こえない「'd」が「had」であることが推測できます。
もしthis afternoonであれば、they haveの短縮系のthey'veです。この場合の「've」も音は弱く小さな「フ」になるので、ほとんど聞こえません。
that afternoonのthatを聞き取ることができなければ、もうどうすることもできません。文を全体を理解するのは不可能です。
上述したように「誰かが、試合を午後に観ているのか、観ていた。」くらいのぼやーっとした理解になります。
「that」の厄介者
ところが、このthatはリスニングのおいて、厄介者です。
これもまた、聞こえないのです。that よりthisの方はまだよく聞こえます。
リスニングにおいて、文中のthatは「ザァッ」➡thがの音が落ちて、thatの最後の「t」も落ちてしまいます。残った「a」の音、しかも弱い「ア」の音に変化します。
カタカナ表記すると「ザァッ」の小さい「ァ」だけが残った感じです。
私自身、この変化にはずいぶん困らせられました。
play that afternoon 「プレナフタヌーン」のような感じで、「ア」すらもあるかどうか聞こえないかもしれません。
●It's on that. (それはその上にあるよ。)
「イッツ オナッ」
●in the morning
「イナモーニン」 *the も弱い「ア」に変化します。
this afternoonだったら、「ズィ」の「ズ」くらいは聞こえるので、それが聞こえなかったから、thatに違いないと推測判断するしかないのです。
thisの場合は、「ズ」の部分が少し聞こえることを知っている知識、体験も必要になります。
この簡単な1つの文「They'd been to see the play that afternoon.」、この1つの文だけを聞いて、聞こえない「'd」の判断することは、実はリスニング教材の中の例文でも、超難関レベルです。
普通は、聞こえない部分が分からなくても、前後の文章やイントネーション、相手の表情から自然と判断しているものです。日本人が日本語同士で話すときと同じように。
1つの文を何回も聴いてヒアリング力をアップするのも1つの方法ですが、会話になった文章でヒアリングする方が効果的です。
さて、上述でリスニングにおいて、文中のthatは「ザッ」➡thがの音が落ちて、最後のthatの「t」も落ちてしまいます。残った「a」の音、しかも弱い「ア」の音に変化することを書きました。
このあたりの「t」の脱落について詳しくは、下記の記事をご参照ください👇
音が「弱まる」「変わる」「音と音が合わさって別の音になる」であれば、ヒアリングを訓練しなんとか聞き取れても、「脱落」した音は聞き取ることはできません。音がないのですから。
「英語を話せるようになるために英文法なんて要らないよ」とよく言われますが、聞こえない音を理解するのをカバーできるのは「文法知識」しかないと考えています。
しかしながら、やっかいなのは機能語のうちの「前置詞」です。これは、ヒアリングのとき落ちてほとんど聞こえないことがあります。
これも同じように文法知識から聞こえない音を推測するわけですが、前置詞が文法的にどう使われているのか知っておかないと、聞こえなくなったとき、推測すれできません。
前置詞について得に下記のこの本をおススメするわけではありあませんが、他の参考書で前置詞を勉強したことをアウトプットする用としては使えると思います。
982問あるので、5回くらい繰り返すと、各前置詞を大きくとらえることができるようになります。
但し、解説の部分は、参考になりません。
日本語の表現から検索できるのは便利ですが、筆者は前置詞の本質的なことをわかってないようでです。betweenとamongの違いを「2つか3つか」という昔ながらの説明をしています。
現代では誰しもネットで調べてもわかりますが、betweenとamongの違いは、「数」は関係なく「はっきり区別できる一つ一つ」か「似たような区別する必要のない一団」かの違いなです。
それを知らないから「日米韓の三カ国条約」にbetweenを使う理由について「日米・日韓・韓米の二ヶ国が基本だから」という間違った説明をしています。
by trainという表現が無冠詞である理由も解説なしで、単に「無冠詞であることに注意」と書いてあります。
「終電で帰った」というふうに具体的に一台二台と数えられる電車の場合は冠詞がつきますが、「交通機関としての電車で帰った」という場合は具体的な車両のことを言っているわけではないので無冠詞になります。by carの場合も同じです。
こんな調子なので、下記本の解説の部分は読まず、前置詞の問題をひたすらトレーニングすればいいと思います。