【阪本研究所】 SK laboratory 代表 Kazuyoshi Sakamoto

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徹底検証【続 英単語の語源図鑑】 英単語力アップ 英単語学習 英語力向上

徹底検証


前回のブログ記事👇に書いた【ポイント2】を深堀りします。



(前回を読んで頂かないと何を書いてあるのか分からないと思います。今回の記事は英単語学習に関して非常にフェチな内容です。最後に書いた「個人的な妄想」はスルーして頂いて結構です。)




◆ご注意
アフリエイトやサイトへ書籍購入を導くものではありません。
古本屋で見つけて買うか、図書館で借りて必要な部分をコピーすればいいと思います。
自分が見るためだけの簡易的な単語ノートを作るのが効果的だと信じています。
自分が分かればいいだけなので手書き、コピーを張り付けてもいいし。。。
そのノートも自分自身が「もう覚えたかな?」と感じたらずっと続ける必要もないと思います。




発音面から文字が追加、脱落


さて、前回のブログで下記を書きました👇


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2.発音面から文字が追加、脱落


例)接頭辞の次にくる文字によって、発音面から文字が追加されたり、脱落したりします。


ab- ⇒ abb- (bが追加される)ab- ⇒ a-(dが脱落) dis- ⇒ di (sが脱落)
場合によっては、diのiがeに変化することもあります。


avoidは、a +void(欠けて、~ない)に分かれます。このaは、上記ab-のbが脱落したのではなく、なんと! ad-(~の方向に向かって)のdが脱落してaだけになったものです。


この本をよ~く読み込んで人は、p246 ab(ad)- , とdis- p62 ad-, a- に悩むでしょう。


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【英単語の語源図鑑】【続 英単語の語源図鑑】、の2冊を隅から隅まで熟読した方は、接頭辞の文字の変化のうち、最もやっかいなのは「脱落」ではないでしょうか?


「追加」は法則を覚えればなんとか理解できます。しかしながら、文字が消えてしまう「脱落」は。。。






特に接頭辞ab,ad-からb,dが脱落してa-だけになった接頭辞


接頭辞ad-, a-は「~の方へ、~を」を表します。


adornは、ad(~の方へ)+orn(順番)→順番通りにする → 装飾する


これは、adorn にad-が残っているので、この接頭辞の意味を知っていれば、なんとかなります。


しかしながら、abridgeならどうでしょうか?


a(~の方へ)+bridge(短い)→短い方へ ということですが、


abridgeの先頭のa-を見て、「これは接頭辞のad-が変化してdが脱落したものだ!」と瞬時にわかるでしょうか?


というのは、この本【 英単語の語源図鑑】をよく読みこんで学習すればするほど、a-には否定の意味があることが分かります👇




un-, um-, in-, a- は、否定を表す


asymmetry は、a-(~でない)+symmetry(対象)⇒非対称


asymmetryの単語の先頭のa-を見て、これが、接頭辞の ab(ad)- のb,dが脱落したものか、元々a-だけで否定(~でない)を表す接頭辞なのか正しく判断しなければなりません。


apathy(無関心)や、anonymous(匿名の)のa-も接頭辞の(~でない)です。


もうこれだったら、分解せずに丸暗記した方が早いのではないか?と思ってしまいます。


anonymous(アノニマス)と言えば、
これですね👇


これをある程度正しく判断するためのルールがあります。


接頭辞ad-は、つぎに来る文字に応じて、ad-が、ac, af,al-,ar,as-at,になります。


accept, affect, alleviate, apparent, arrest, attendのように。



つまり、英単語でaの次に文字は2重になっていたら、接頭辞ad-(~の方へ)の変化したa-ではないか?と疑ってみることです。




これは、接頭辞のex-(外へ)も同じ。xが脱落して、その意味を保持してeだけになった単語は多いです。


evacuate(避難させる), emancipate(解放する)など



接頭辞in-,im-などでも、i-だけになった接頭辞がついている単語があります。



以上、ここで言いたいことは、頭辞の一部の「脱落」「追加」には要注意です。







さてさて、


これ以降は、上述の接頭辞の「脱落」のこととは関係ありません。


「脱落」よりやっかいなのは「接頭辞がダブルで付いている単語」でしょう。


接頭辞が2重で付いている単語


例)indiscriminate (見境のない、無差別の)


criminateは「~を非難する」という意味。ニュアンスとして良い意味ではない。


深堀りした意味は、「特定の人(何か)を非難するのではなく、不特定な人(もの)に対して非難する」です。


この単語の場合の接頭辞、in- とdis- は「~でない」と否定を表します。


語源criminate(実際は接尾辞-ate、「~にする」)に、まず、dis-「~でない」マイナスの意味である否定がつきます。


criminateは「~を非難する」の否定(反対)の意味にあるdiscriminateは、「~を特別に差別待遇する」という良い意味、プラスのニュアンスになります。


そして、さらにdiscriminateの前に接頭辞in-(~でない)がつきます。


すると、indiscriminateの意味は、discriminateを否定する逆の意味になります。つまり、「無差別の、見境のない」という意味になり、語源のcriminateの「不特定な人(もの)に対して非難する」の「不特定な人(もの)」が残っています。


マイナス(ー)✖ マイナス(ー)✖ 「不特定な人(もの)に対して非難する」


数学的にとらえて「不特定な人(もの)に対して非難する」を数字の1とし、


マイナス1を、-1にした場合、


-1 X -1 X 1=1


ここで言いたいのは、否定(~でない)意味をもつ接頭辞が2重でついてる場合、マイナス(ー)X マイナス(ー)で、プラスになるということ。


さて、ここで注意しなければならないのは、


接頭辞 in- には、「~でない」という否定の意味だけでなく、「~の中へ」という意味と、「語源の意味を単に強化する」ために使われることがあります。



上述のindiscriminateの接頭辞 in- を、否定(~でなく)ではなく、「~の中へ」とプラス(+)の意味でとらえた場合、indiscriminateの接頭辞+接頭辞+語源の構成する意味を正しく理解できなくなります。


本当に、接頭辞in-はやっかいです。否定(~でない)と「~の中へ」、相反するようなニュアンスを持っているのです。


inspire, insight, inclineなど、これらの接頭辞in-は、決してマイナス(ー)のニュアンスではなく、「~の中へ」の意味であり、むしろ、語源の意味を強化しています。


否定(~ではない)の意味ではありません。





ここで出題です。indiscriminateと最も近い意味は、a~dのうち、どれでしょうか?



(出典:TOEFL  iBT対策「超上級英単語」)



◆解き方のコツ


この手の問題は、品詞の知識が必要です。まず、この文においてindiscriminateはどの品詞か?


indiscriminateのすぐ次になるmixture of に注目します。mixtureはofの前にあるのだから、名詞です。一般的にofの前に形容詞は置かれません。(例外はありますが。。)
では、mixtureの前にあるindiscriminateは、mixtureを修飾する形容詞であること理解する必要があります。


そして、このindiscriminateと同じ形容詞をa~dから選ぶのです。もし、a~dに形容詞以外があれば、それは正解ではないので、選択から外します。この出題は全部は形容詞です。
ただ、indiscriminateの意味が分からない場合、文全体をみると、The building(その建物)は、indiscriminate mixture of achitectural styleであり、was without order or coherence.であったとなっています。


このwas以降、 without order or coherence.に注目です。
indiscriminateの意味が分からなくても、文の構造から、 without order or coherenceと最も近い意味をa~dから選べばいいのです。


oder(順序)やcoherence(一貫性)がない(without)⇒「無差別な、見境のない」
と同じような意味の単語をa~dから選択することになります。


さてさて、a~dの単語をすべて知っていれば、即、解答できるでしょう。ところが、知らなければ、接頭辞、語幹(語源)、接尾辞に分解しても太刀打ちできません。



「解き方のコツ」と書きましたが、ある程度の英単語能力は必要なのです。





a-から始まる英単語 脱落したのはどちらの接頭辞?



abridge = a(~の方へ)+ bridge(短い)⇒ 短い方へ ⇒「短縮する、要約する」


・接頭辞ad-のdが脱落したパターン。p64



avert = a (~離れて)+ vert(向ける)⇒ 離れた方へ向く ⇒「避ける、そらす」


・接頭辞ab-のbが脱落したパターン。 p248




【英単語の語源図鑑】をよ~く読み込んだ方は、上記の疑問が湧いてくるはずです。


 





どちらもa-から始まる単語ではあるが、このa-は接頭辞から次の文字が脱落したものであることに気がつく必要があります。さらに、その接頭辞はad-なのか、ab-なのか、そもそも、脱落せずとも接頭辞a-だけで(~離れて、~でない)を表すこともあります。


特にabridgeをab とrigdeに分けては間違いです。このabは接頭辞ab(~ではない)ではありません。


英語学習において100%の勉強方法はないのかもしれません。もちろん、接頭辞、接尾辞、語根(語幹)の学習を否定するわけではありません。





個人的な妄想 文字より音が先?


この接頭辞、語源、接尾辞に分解して英単語を学習する方法はとても効果的です。ただ、下学習すればするほど、ルール通りにはいかないやっかいなことや疑問が出てきます。


言葉は生き物、時代ととも変化します。


これは個人的な妄想ですが、人類が言葉を使ったとき、先に「発音」だと思います。口から出る音でコミュニケーションをとっていて、その音を何かに「書いて」、伝達しようとしたり、書き残しておこうとして、「文字」が生またのではないかと。。。


つまり、文字より音が先のはず。まず、発音ではないでしょうか?


そして、発明された文字が時代とともに変化していったのではないでしょうか?




従って、英単語学習において、発音面から考察することは必須だと思います。


ただ、接頭辞、接尾辞などで文字をどんどん増幅するとき、発音し難いから、文字を追加したり、脱落することも便宜上生まれたのでなないでしょうか?


興味をもっていますので、どんどん研究して生きたと思います。













◆参考資料


英単語は「接頭辞」+「語根」+「接尾辞」の組み合わせ /「インド・ヨーロッパ祖語」と「現代英語の由来」について


英単語は発音!「音」がもつ意味 ①【Englishの歴史・祖語から派生語】 について / 阪本研究所 SK laboratory