🔷洗礼を受けると救われるのでしょうか？🔷イエスより前に生まれたひとは、救われますか？ 🔷キリスト教徒でなくても、救われますか ？　 #洗礼 #聖書 #幼児洗礼　#キリスト　#イエスキリスト

🔷洗礼を受けると救われるのでしょうか？🔷イエスより前に生まれたひとは、救われますか？ 🔷キリスト教徒でなくても、救われますか ？　 #洗礼 #聖書 #幼児洗礼　#キリスト　#イエスキリスト

イエスは、洗礼者ヨハネの洗礼を受けました

洗礼は、キリスト教の教会の加入の儀式です。 洗礼者ヨハネは、悔い改めのしるしとして、洗礼を授けていました。ユダヤ教に洗礼の考え方があったことがわかります。イエスは、洗礼者ヨハネの洗礼を受けました。

 イエスが誰かに洗礼を授けたと、福音書には書いてありません。しかし、いつの間にか、 初期教会では洗礼を行なうようになったようです。 使徒パウロは、 ユダヤ教徒としてキリスト教徒を取り締まっていました。

けれどもある日、 イエスの幻と会って回心し、洗礼を受け、キリスト教徒となります(使徒言行録 9 章3から19節)。

当時、キリスト教徒は洗礼を受けるものだ、と思われていたことがわかります。

洗礼は、ユダヤ教の割礼にあたるもの

洗礼は、ユダヤ教の割礼にあたるものです。 割礼は、男性器の包皮の一部を切ります。ユダヤ教徒は、生後8日目に手術しますが、 もしも大人なら痛いものです。洗礼は、痛くありません。そして、男性も女性も、受けること ができます。ギリシャ人(ユダヤ人でない人びと)には、好評でした。 

福音書によると、キリスト教の洗礼は、水ではなく聖霊によって授けるものだといいます。(マタイ福音書3章1節)。

聖霊は、神から来ます。つまり、洗礼は、人間が授けているように見えても、神が授けていることになります。 洗礼を授けられた者が、今度は洗礼を授ける側に回る。いま授けられている洗礼も、初期教会の最初の洗礼から、連綿と続いてきたことになります。

イエスが洗礼を受けた場所

洗礼を受けると救われるのか？

救われるかどうか、それは、最後の審判で、神が決めて申し渡すことです。けれども、洗礼を受けないと救われないとする考え方も、一般的です。洗礼を受けることは、救われるための必要条件、というわけです。

イエスは、わたしはブドウの木だから、 実を結ぶようにつながっていなさい、と言いました(ヨハネ福音書15章1から10節)。

また、教会は、イエス・キリストが教会の頭で、教会はキリストの身体だ、ともいいます（エフェソの信徒への手紙1章２２から23節）。

洗礼を受け、教会のメンバーになることは、大事だと考えられたのです。

洗礼を受けることが、救われるための必要条件？

洗礼を受けることが、救われるための必要条件なら、洗礼を受けないで死んだら大変です。昔は、子どもがよく死にました。そこで、生まれたらすぐ、洗礼を授けてもらうと安心です。「幼児洗礼」です。 カトリック教会は、「幼児洗礼」が原則です。物心もつかないうちに、洗礼を受けます。信仰心はとりあえず、関係ありません。そこで、信仰が固まったことを教会で確認する、堅信礼が別に行われます。

「幼児洗礼」について

プロテスタントでは、ルター派の教会も「幼児洗礼」を認めます。カルヴァン派の教会もめ 中 見洗礼を認めます。洗礼を受けないで死ぬと大変なので、合理性があります。 

再洗礼派は、正しい信仰をもって洗礼を受けなければ意味がない、とカトリックの洗礼を認めませんでした。そこで、改めて洗礼を受けるので、再洗礼派とよばれました。

急進的な社会改革を掲げたので、ドイツ農民戦争で弾圧され、迫害されました。 「幼児洗礼」の問題点は、堅い信仰に結ばれた信仰共同体をつくりにくいことです。

アメリカに入植したカルヴァン派の人びとは、子どもが地獄に堕ちたら大変と、急いで、「幼児洗礼」をしました。すると教会メンバーに、信仰がふらふらし、回心体験のない人びとが増えてしまいます。

回心体験がある教会の中核メンバーと回心体験のない教会の周辺メンパー、の二重構造になります。 回心体験のないメンバーは、回心体験にあこがれて、のちに大覚醒運動に結びつくのでした。回心体験と洗礼を結びつけてしまえば、この矛盾は解消します。

大覚醒運動：1800年代から1830年代のアメリカ合衆国のプロテスタント史における2番目の大きなリバイバル。

アメリカで急成長したパブティスト教会

パブティスト教会のいき方が、これです。パブティスト教会は、アメリカで急成長しました。再洗礼派と似ていて、「幼児洗礼」を認めません。また、他宗教の洗礼を認めません。

パブティスト教会の洗礼だけが、イエス・キリストにさかのぼる正しい洗礼で、代々続いている、唯一有効な、生まれ変わりの洗礼だとします。

洗礼は水をたらすやり方(調礼)が多いのですが、パブティストの場合は、水たまりに飛び込むやり方(浸礼)です。

この儀式によって、古い自分が死んで、新しい自分に生まれ変わったという「再生」が実現します。

洗礼を受けなければ、救われないのか？

洗礼を受けなければ、救われないのか。 もし救われないと考えれば、イエス・キリストより前の世代の人びとはどうなるのか、が問題になります。

そういう人びとのあいだにも、ノアのように、神の前に正しい人びと が (義人)がいたはずです。また、福音が伝わらなかった社会にも、義人がいるはずです。

 そうした人びとも復活して、神の前に立つとき、洗礼を受けていなくても、救われると考えるのが自然です。 すると、洗礼を、救われるための必要条件と考えなくてよいことになります。 

洗礼は何のためにあるのか？

ならば、 洗礼は何のためにあるのか。そう考えて、洗礼をなしにしてしまった教会もあります。クエーカーやユニタリアンのように。 カルヴァンの救済予定説は、神が救済を決定すると強調しました。つきつめると、やはり洗礼は救済に関係ないことになります。

カルヴァンの救済予定説
聖書からジャン・カルヴァンによって提唱されたキリスト教の神学思想。 カルヴァンによれば、神の救済にあずかる者と滅びに至る者が予め決められているとする（二重予定説）。 神学的にはより広い聖定論に含まれ、その中の個人の救済に関わる事柄を指す。

にもかかわらず、多くの教会は洗礼を重視します。 ひとつの理由は、それが教会の伝統だからです。初期教会のころから、教会は信徒に洗礼を 授けてきました。

信徒にとって、それは、神とのつながりを示す、「あかし」です。 そして、それにも増して大きな理由は、洗礼が神の恩恵であるから。救済の条件であるかどうかはともかく、神は人びとの一人ひとりに、手を差し伸べようとしています。

救われるかどうかは、この世界が終わった、最後の審判のときの話。洗礼は、いまこの世界に生 きるすべての人びとに、イエス・キリストの愛が及んでいることを示す機会なので
す。