【阪本研究所】 SK laboratory 代表 Kazuyoshi Sakamoto

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静岡県下田市 撮影出張 「伊豆と下田半島の魅力」その3 天城越えトンネル(2023年5月12~14日)

旧天城トンネル


川端康成の短編小説『伊豆の踊子』や、松本清張の小説『天城越え』をはじめ、この場所を一躍有名にした石川さゆりが唄う『天城越え』の中で、近くの寒天橋やわさび沢などとともに直接的な歌詞としては天城隧道として登場するその場所が、伊豆を代表する観光名所となっている『旧天城トンネル』です。












映画「天城越え」 予告編



天城越え 予告編


静岡で印刷屋を営む小野寺のもとに、田島と名乗る老人が、県警の嘱託で「天城山殺人事件」という刑事調書の印刷を依頼しに来た。


原稿を見て激しく衝撃を受けた小野寺は十四歳の頃を思い浮かべる。小野寺は十四歳のとき、母の情事を目撃し、それまで彼にとって、神であり恋人であり、亡き父を裏切った母が許せず、静岡にいる兄を訪ねて一人で天城越えの旅に出た。少年は素足で旅する若い娘ハナと出会い、並んで歩いた。少年は美しいハナに母の面影を感じる。


ところが、道中、ハナは一人の土工に出会うと、無理矢理に少年と別れ、男と歩きだした。気になった少年が後を追うと、草むらの中で情交を重ねる二人を目撃する。その土工が殺された。ハナが容疑者として逮捕される。土工と歩いているところを目撃した者もおり、彼女は土工から貰ったと思われる金も持っていた。さらに、現場には九文半ほどの足跡があり、ハナの足も九文半だった。


警察の取調べに対し、ハナは土工と関係して金を貰ったことは認めたが、殺しは否認した。売春宿の女だったハナは一文なしで逃げだし、金が必要だった。結局、ハナは証拠不十分で釈放された。彼女は真犯人を知っている様子だか、頑として口を割らず、事件は迷宮入りとなった。田島老人はそのときの刑事だった。「九文半の足跡を女のものだと断定したのが失敗でした。犯人は子供でした」と老人は語る。


そして、犯人である子供の動機が分らないと続ける。犯人は、少年=小野寺であった。少年はハナと土工の情交を見て、母が犯されている……そんな思いが浮かんだ。ハナにも、少年と天城を肩を並べて歩いているうちに、彼の純粋な気持ちが伝わったのだろう。だから、目撃した事実を口にしなかったのだ。刑事だった老人は、三十年ぶりで小野寺が真犯人であるという推理に達し、印刷を依頼に来たのだ。しかし、もう時効であった。



川端康成「伊豆の踊子」と松本清張「天城越え」


清張の「天城越え」は康成の「伊豆の踊子」と同じ伊豆・天城を舞台とし、登場人物の設定には似通ったものがあります。「伊豆の踊子」の学生が踊子に会い、天城山道を抜けて下田方面へ歩き進むように「天城越え」の主人公も、また「伊豆の踊子」が書かれた1926年に同じ地を越えます。


違うところは主人公が高校生ではなく、16歳の鍛冶屋の倅であり、この小説とは逆に下田街道から天城峠を歩いて、湯ヶ島を通り、修善寺に向かいます。


清張が純文学の康成の作品に対抗した形となっています。





伊豆の踊子(予告篇)



伊豆の踊子(予告篇)



大正末期、作家川端康成の基点となった名作文学の映画化。伊豆を旅していた学生の水原(高橋英樹)は、旅芸人の一行と知り合い、道中をともにするように。中でも、一行の中の少女・薫(吉永小百合)の初々しさに、水原は惹かれていくのだが…。











日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)先生


2023年5月、下田へ遊びに来ました。そこで渡辺先生が自ら運転でここまで連れてきて下さり、このトンネル内で様々なことを解説して頂きました。先生の幅広い知識には感銘します。





【そうきチャンエル】👇 


阪本研究所として、息子さんの映像制作会社「Leo Studio Production」をサポートさせて頂いております。

渡辺 惣樹 - YouTube




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