kazu4000のブログ / 読書日記

語学系、歴史関係とフェチな本が好きです。
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【2018年度 通関士 過去問題集】課税価格の計算

【2018年度 通関士 過去問題集】の課税価格の計算問題について解説されています。計算問題といっても難しい計算ではなく小学生レベルの単純な足す、引く、掛ける、割るの四則演算です。但し、出題文章で手の込んだ「ひっかけ」があります。
その中で面白いと感じた出題を4つ紹介します。




1) 課税価格の計算(P439)
*輸入者M(買手)が靴の製造者X(売手)から靴を輸入する。


この出題には2つの「ひっかけ」が存在します。


1つ目の「ひっかけ」は、価格がドルで表示されています。これを円に換算するのですが、出題文章に、MとXで合意されたレート(110円)と輸入申告時のレート(100円)が書かれています。
普通なら申告時のレート(100円)を使用しますが、ここはMとXの契約で合意されたレート(110円)を使用します。この法則?にようなことはテキストや他の問題集でも解説されていない例外の法則です。この【2018年度 通関士 過去問題集】の解説で「実際に支払われた・・・・計算する。」と一行書かれているだけです。なぜそうするの?に対する解説は載ってないです。知らないとできないパターンです。


2つ目の「ひっかけ」は、本邦でのデザイン費用を課税価格に加算するかどうか。普通なら本邦でのデザイン費用は課税価格に加算しません。本邦以外でのデザイン費用は加算します。これは原則です。
さて、この出題は「靴」を輸入するわけですが、出題文章はいかにも直接、靴自体にデザインが加わっているような感じですが、実は靴を製造するための生地のデザインです。「本邦のデザインは加算しない」というルールだけで判断したので私はひっかかってしまいました。


ダブルでひっかけてきますので手の込んだ出題だと思います。計算自体は足し算と割り算だけでとても簡単です。









2) 課税価格の計算(P441)
*輸入者M(買手)が靴の輸出者X(売手)から保険付きで特殊機械を輸入する。



この出題での「ひっかけ」は1つですが、レアなパターンです。「金型を無償提供した場合はその金額は課税価格に加算する」といルールがあります。製品をつくるには金型が必要でその費用も含めた金額が製品の価格なのは当然です。


さて、出題文章には、その金型の費用は2つ書かれています。1つは輸入者M(買手)から輸出者X(売手)に無償提供した費用(850000円)。もう1つは、輸入者M(買手)が特殊関係にあるKから購入した金型の費用(900000円)。
ここでの「ひっかけ」は出題文章の表現です。真ん中あたりに「当該生産のために使用された金型 850000円」と明記されていますが、よく読むと下の方に「・・金型の生産費は900000円であり、・・・・生産後破棄されている。」と書かれています。
実際に生産に使ったのは、850000円なので、課税価格に加算するのはこちらの850000円であると判断すると間違いです。この【2018年度 通関士 過去問題集】の解説では
「輸入者M(買手)と特殊関係にある金型生産者Kから取得した場合には金型の取得価格ではなく、生産費を課税価格に算入する。」と書かれています。なぜそうするの?に対する解説は載ってないです。知らないとできないパターンです。
この出題での「ひっかけ」はきっちりと中心部分に明記しておいて、さらっと下の方に需要なことを書いているパターンなので、目を皿にして読まないと必ず「ひっかけ」られてしまいます。








3) 課税価格の計算(P447)
*輸入者M(買手)が靴の輸出者X(売手)から缶詰めを輸入する。



計算自体は非常に簡単なのに、出題文章にまんまと「ひっかけ」られてしまいました。まず、値引き後の計算と数字がきっちと表になって載っています。ところが、この表はまったく見る必要がないのです。普通、表が書いてあれば、その数字と出題文章との関係を考えながら読んでいきます。しかしながら、この出題ではこの表を見るとかえって「ひっかけ」られてしまいます。
さて、この出題にはもう1つ「ひっかけ」があります。文章として、いかにも取引条件として値引きをしているような表現になっていますが、実際は取引条件ではなく、取引上の支払い条件です。(先に20%を支払って残りを引き渡し時に払う。)この【2018年度 通関士 過去問題集】の解説では、「輸入の取引条件として・・・」と載っていますが、ここは取引条件ではなく「支払条件」です。「支払条件」は課税価格に対する考慮は不要です。


この出題は不要な表を載せて、さらに文章で「ひっかけ」をするパターンです。よく読むと、「・・・締結、」「・・・引き渡しに・・」となっています。この「後」から「支払条件」⇒「考慮不要、加算しない」を思いつく必要があるのです。








4) 課税価格の計算(P451)
*輸入者M(買手)が靴の輸出者X(売手)から機器を輸入する。



この出題は不要な情報をたくさん載せて「ひっかけ」るパターンです。表が2つありますが、国内価格を決定する原則を知っていれば1つは無視です。また、中央に書かれている、保管費用や運送費用についても、原則を知っていれば数字すら見る必要もありません。出題文章を読んでこのあたりに気が付けば3分以内でできる問題です。計算も足し算と引き算、掛け算だけです。割り算はないです。


但し、解説が言葉足らずです。「・・・は、国内販売価格に基づく課税価格に決定方法により課税価格を決定するので考慮しない。」と載っているだけです。「なぜそうするの?」に対する解説は載ってないです。
普通に考えれば、比較する国内販売価格は、本邦で販売しているモノの価格なので、当然ながら輸入に係る費用は含まれています。ある程度通関士の勉強をしている方は気が付くでしょうが、初めてこの問題にあたった方は素朴に「その費用を控除しないの?」と感じると思います。
「・・・費用として120000円を負担している。」「・・・費用として150000円を負担している。」と明記し、いかにも控除する必要があると文章と「ひっかけ」ています。この出題はたくさんの文章、表を読んでいるうちに、この出題は国内価格から課税価格を決定する出題であること惑わされる「ひっかけ」パターンです。


また、この【2018年度 通関士 過去問題集】解説で面白いのは、計算方法です。


6000000円-900000円-450000円-180000円=4470000円とだけ載っています。


つまり、下記のように単価20000円に、機器の数量300個を掛けて、そこから控除すべき各経費にまた機器数量300個を掛けて計算しています。


 20000 X 300 - 3000 X 300 -1500 X 300 - 600 X 300


試験の限られた時間を意識していない計算方法です。



下記のように先に単価を出して、最後に機器の数量300個を掛ける方が早いし常識だと思います。


20000-(3000+1500+600)x 300


(3000+1500+600)なら5100と暗算できます。
通関士試験は電卓持ち込み可なので20000円から5100円を引いて、後は機器の数量300個を掛けるだけです。


なぜ、この【2018年度 通関士 過去問題集】では、6000000円-900000円-450000円-180000円=4470000円と解説されているのか理解に苦慮します。