kazu4000のブログ / 読書日記

語学系、歴史関係とフェチな本が好きです。
本は図書館から借りてます。常に何か読んでいる活字中毒です。

書籍:「英語論文・レポートの書き方」


この本も図書館で借りてきました。先に結論を言うとかなり役に立つ本であると思います。前半は、英文を書く際に日本人のおかしやすい間違いや、それを克服し自然で流れのある文章を書く方法が言及されています。この部分は、英語論文やレポートに特化せず、日本人ならだれでも気をつけたい、知っておきたいポイントが示されています。


 一方後半では、本のタイトルに沿った「論文・レポートの書き方」について説明されています。とくに、大学で求められるパラグラフライティングやそのアプローチ方法に触れられていますが、もしこれから英語圏の大学に入学するの人にとってはこの本は必要ないかもしれません。この本に述べられている内容は米国の大学では、必須単位として指定されており大半のページを割いて説明されている論文の書き方は、英語の授業で指定される教科書を日本語に翻訳した内容です。簡単に言うと英文教科書の和訳本です。ただ、著者は日本人特有の文法ミスをうまく解説しています。もしビジネスマンで会社で英文のレポートや論文を書くための参考書としてなら、この本は確かに参考になりますが、ビジネス専用の参考書を買った方がいいでしょう。この本の大半以上は留学する前の学生用だと思います。留学する前に大学に入ったら、まずはこの英文ライティングの基礎を完璧にしないと始まらない事を予め認識しておく本とするなら大いに役に立つと思います。


この本の内容は下記の通りです。


第1章 ライティングの重要性


1. 国際化時代におけるライティングの重要性
2. 深いレベルでのコミュニケーション
3. 日本人によるライティングの問題点
4. 盗用に対する注意
5. 本書の構成


第2章 英語を書くための語彙


1. 英語の語彙の特色
2. ディノテーションとコノテーション
3. コロケーション
4. フォーマル用法とくだけた用法
5. 語彙を上手に使いこなすための秘訣
6. アカデミックな文章を書くために


第3章 文をどう書くか


1. 日本人学習者が注意すべき英文の構造
2. 客観的で明確な文を書く工夫
3. 流れのある文を書く工夫


第4章 英語のパラグラフとエッセイの特徴


1. 直線的な論理と渦巻きの論理
2. パラグラフを書く際の基本的な態度
3. 客観的な文章と主観的な文章
4. 英語のパラグラフの構成
5. 英語の文章の構成


第5章 英語の文章のジャンルとレトリック


1. 物語文
2. 描写文
3. 比較・対照による説明文
4. 実例による説明文
5. 分類を表す説明文
6. 原因と結果を表す説明文
7. 過程を示す説明文
8. 論証文9. TOEFL のライティング・テスト


第6章 ライティングのプロセス:資料収集から推敲まで


1. 資料収集の3ステップ
2. 図書館を活用しよう
3. 文献メモを作成すれば大変便利
4. アイディアの発見法
5. 下書きを書く上での心構え12箇条
6. 推敲とは何か
7. 推敲の仕方
8. 推敲の実際


第7章 引用の仕方、参考文献のスタイル


1. スタイル・マニュアル
2. 引用の仕方
3. 参考文献の記載の仕方
4. パンクチュエーション・マークの使い
5. MLA、APAにしたがって書かれたサンプル


第8章 リサーチペーパー(研究論文)の書き方


1. 題名のつけ方
2. 要旨の書き方
3. 序論の書き方
4. 本論の書き方
5. 結論の書き方
6. 参考文献の書き方
7. 注の付け方
8. 補遺の示し方


付録:英語で論文・レポートを書く時に役立つ参考書やウェブサイト


内容で面白いと思ったのは、
「レポート・論文にはラテン系語彙を使おう」というのがあって、客観性と高尚さを出すためには、ラテン系の語彙を多用することが望まれる。と書いてあります。これは知らなった。
あと、コノテーション(connotation:微妙な感じを含む意味)で、「安いドレス」を表現する場合、安易にcheapを使うと、cheap dress (価格のみならず品質も悪い)になってしまう。価格についてだけ安いことを表現したい場合は、inexpensive を使う。inexpensive dress(価格のみが安い)
これはよく分かる重要なポイントだと思います。会社で海外とコレポンする場合や交渉で話をする場合、自分もそうですが、つい自分が知ってる単語の範囲で対応してしまいます。その範囲が狭かったら上記のような事が起こります。もし、企業の交渉でこな間違いをしてしまったら契約に影響します。


これとは反対に、あまりにも直接的は表現を避けたい場合は、オブラートに包んだように別の表現を使うことを解説しています。
birth control → contraception family → planning
spying → surveillance → intelligence
これは ポリティカルコレクトネス(political correctness 略称:PC) も同じような事だと思います。


また、collocation (単語と単語の結びつき)で、例えば、形容詞のblondをblondhair と使うことができでも、a blond car とは使えない。
形容詞の並べ方、a wooden, new, large, round,pretty table  :  この順番は間違いです。正しくは、a pretty, large,round, new, wooden table です。


「日本人学習者が注意すべき英文の構造」のところで、トラブル・スポットと称して、著者は、日本人は自動詞と他動詞の区別に対する意識が低いことを指摘し、次のような例文を上げています。
(日本語に引きずられて前置詞を挿入してしまったパターン。)
We discussed about some differences between English andJapanese.
We entered to the Museum of Modern Art.
少なくとも米国の大学へ留学しようとする学生がこんな間違いするのだろうか。。(笑)


こんな感じでこの本の半分くらいをその他たくさん解説していきます。で、その解説された内容はすべて一般の英文法書でまったく同じことが載っています。むしろ、文法の部分は英文法書で確認したほうが内容も濃いのでいいと思います。


但し、次からは価値のある情報が載っています。
4章の「英語のパラグラフとエッセイの特徴」のは、日本人的な「直線的な論理」と西洋に多い「渦巻きの論理」の思考パターンを図を使って詳しく解説されています。
5章は、レトリックについて、最も多くページを割いて詳しく解説しています。この部分はこの本のメインだと思います。


以下、この本に関する紹介からの引用です。
◆一般的には、英語によるコミュニケーション能力とは英会話ができる能力だと考えられている。しかし…型のある決まり文句を使った会話がいくらうまくなったとしても、それは「浅いレベル」でのコミュニケーションができるようになるにすぎない。浅いレベルのコミュニケーションによって得られるのは、いわば単なる「知り合い」であって、「親友」や「同朋」を求めるのであれば、「深いレベルのコミュニケーション」が必要となってくる。自分の意思を相手に誤解のないように伝え、相手を説得し、相互に理解し合えるような深いレベルでのコミュニケーションを目ざすのであれば、日常英会話以上の技能を身につけなければならない。/深いレベルでのコミュニケーションが行われる場面としては、以下のようなものが考えられる。
・自分が調査・研究した内容を発表する。
・あるトピックについて、自分の見解や信念を主張する。
・相手の意見に反論し、自説の正当性を納得させる。
このような場面でのコミュニケーションは、単なる英会話をマスターするだけでは達成することはできない。そこでは、自分の考えを「発見し」、それを「論理的にまとめ」、「明確なことばで表現する」力をみがく批判的な思考(critical thinking)が求められている。そして、このような深いレベルでのコミュニケーションを行うために養わなければならない技能こそが、「ライティング」なのである。


◆…英語のessayは「特定のテーマ」について自分が思索した内容を、分析的、客観的、論理的に説明しなければならないものである…


◆英語で文章を書く場合、自分の意見が…他者の意見や見解を踏まえた上での主張であることを明確にすることによって「客観性」を示す必要がある。その際、肝に銘じておかなければならないのは、他者の主張を決して自分の意見と混同してはならないという基本的なルールである。/著作権に厳しい欧米ではこのルールを侵すと、それは単なるミスに留まらず犯罪行為とみなされる。


◆…英語においても語彙の使い分けが必要である。客観性と高尚さを出すためには、ラテン系の単語を多用することが望まれる。自分の使おうとしている語がゲルマン系なのかラテン系なのかを知るためには、辞書を引き、語源欄を見るのが一番正確な方法である。



語彙を上手に使いこなす秘訣


Tip 1:同一語を繰り返さない
英語の文章は、同じ語の繰り返しを嫌う。…同じことばを繰り返して用いてはならないとなったら、同意語・類義語を探さなくてはならない。その際、便利なのがシソーラス(類語辞典、thesaurus)である。…シソーラスでいちばん古典的かつよく知られているのは、Roget'sInternational Thesaurusである。…
Tip 2:形容詞を効果的に使おう
形容詞1つで文がかもし出す雰囲気が変わってくる。
Tip 3:的確な動詞を使おう


◆英語でレポートや論文を書く場合は、…アカデミックな文章スタイルで書くことが求められる。アカデミックな文章スタイルにするためには、語彙の選択、語順など、以下の点に配慮することが必要になってくる。
①動詞の選択
句動詞(phrasal verb)の代わりにラテン語を起源とする動詞を選ぶ。…
②短縮形を避ける
③硬い否定形を使う
たとえば、not muchよりはlittleを、not manyよりはfewを使う。…
④副詞を文の中に入れる
副詞を文頭ではなく文の中に入れるだけで、ずいぶん格調が高くなる。…
⑤直接疑問文をあまり使わない
⑥会話体を持ち込まない
1.下記のようなつなぎの言葉はライティングでは用いてはならない。
・By the way(ところで)/Well(そうですね)/Anyway(とにかく)
2.口語の発音によるつづりではなく、きちっと綴る。

3.veryの意味でprettyやsoを使うのは口語用法であるので、ライティングでは用いない。

4.次のような代名詞のyouの使用は避ける。
・You can see theresult in Table 1.
 →The result is presented in Table 1.
5.以下のようなあいまいな言葉の使用は避ける。
・something like/kind of/more or less
6.文章表現にふさわしい強調語を使用する
・for sure→surely
・a lot→very muchあるいはgreat deal[2004:27-28]


客観的で明確な文を書く工夫
英語のアカデミックな文章では…問題を「客観的」な視野から捉え、論旨を「明確な文章」で展開することが求められている。…
(1) I の多用は避けよう
…I を使いすぎると、主観的で独白的な英文になってしまい、主張に客観性や一般性がないという印象を与えてしまう危険性がある。そこで、I の視点を超えた客観的な書き方を学ぶ必要がある。…
(2) 代名詞が何を指すかを明確にしよう
日本文化では、意思の疎通は話し手と聞き手が共有する文化背景に依存する度合いが強いとされている。これに対し、アメリカ文化では、話し手の意図は状況とは切り離した形で言語化する傾向が強いと言われている…したがって、日本語では「これ」、「それ」、「あれ」など、状況がわからなければ何をさすのか不明な代名詞が使われることが多い。しかし英語では、代名詞が何を指すのか常に明らかにしないと、読者を混乱させてしまう。…
(3) 中立的な表現を使おう
最近、英語では性による差別のない中立的(politically correct)な表現を使おうという動きが活発になってきている。


流れのある文を書く工夫
一文としては誤りがなく、明確な文であっても、文と文とのつながりが明瞭でなく流れのない文章は読者の理解を妨げてしまう。文と文とをつなぎ、まとまった意味を作り出す性質は「結束性」(coherence)と呼ばれ、「流れのある英文」を書く際には気をつけなければならない重要な要素である。…
(1)つなぎことば
…「結束性」を作り出すものとして、是非とも習得しておきたいのがつなぎことば(transition words)である。…つなぎことばは、文と文、あるいは節と節を結び、両者の論理関係を明確にするシグナルの役目を果たすものである。…つなぎことばを機能別に分けると、補足、対比、原因、結果、選択、類似、例示、経過・順序、言い換えに大きく分類することができる。…つなぎことばは、読者を「理解」という目的地に導くための道路標識のようなものである。読者が道の途中で迷わないように正確につなぎことばを使用したい。…
(2)適切な代名詞の使用
日本語では、状況や文脈から判断できる場合、代名詞は通常表現されない。…日本語ではこのような場合は主体や客体を明示する必要はない。他方、英語の場合は原則的に…主体及び客体を常に明確に示さなければ英語として成り立たない。/このように代名詞の適切な使用は英文表現には不可欠な要素である。1文ではなく、複数の文をつなぐ文章のレベルでは、代名詞を適切に使うことは流れのある文章を作り出す上での重要な手法となる。…
(3)時制の統一
…さまざまな時制の混在の一因は、日本語からの影響にあると思われるので、英文を書く際は時制の一致を常に意識することが大切である。


◆日本語の文章においては普通、書き手が一番述べたい点は「結論」として文章の末尾に置かれる。それに対し、英語の文章においては、書き手の主張の要点は冒頭で打ち出される。/つまり、日本語の場合、書き始めから個々の状況的、具体的要件を1つ1つ取り出して説明し、だんだんと読み手の同調を誘い、お互い協調する核心部分に持っていき、最後におもむろに自分の言いたいことを提示するという話の展開方法(帰納法:inductive pattern)をとる。これに対し、英語の場合は、まず言いたいことをずばりと提示し、それに後から理由づけや補足をしていくという話の展開の仕方(演繹法:deductive pattern)をとることが多いということである。[2004:62]


◆基本的な英語のパラグラフの構成は…直線的な展開をするということである。直線的ということはどういうことかというと、自分の主張を最初から最後までぐらつかせずに貫き通すということである。書く前に抱いた自分の考えを変えずに持ち続け、読み手に自分の考えを納得させるようでなくてはならない。


◆ここで、「英文を書く際の基本的態度」として次のようにまとめることができる。
①書く前に自分の考えをはっきり持つ。
②読み手(audience)がいるということを意識する。
③自分の考えを冒頭で明確に打ち出す。
④自分の考えを書いている途中で変えてはならない。
⑤自分の主張を相手に納得させるために書くという気構えを持つ。


◆…英語のパラグラフはパラグラフとして存在するためのはっきりとした概念を持っている。/それは、「1つのパラグラフでは1つのアイディアを述べる」ということである。別のことばで言うと、「1つのパラグラフはある1つのトピックを持っている」ということである。このトピックというのは、パラグラフの中で伝えたい一番の「主題=テーマ」ということになる。1つのパラグラフの中で1つだけの主題を述べることによってパラグラフ内での統一が保たれる。別のもう1つの主題について書く場合には、パラグラフを変えなければならない。英語で明晰なパラグラフを書くためにはパラグラフ内の統一を保つことが非常に大切である。/パラグラフを構成する三大要素は、(1)トピック・センテンス(topic sentence)、(2)支持文(supporting sentences)からなるボディ(body)、(3)結びの文(concluding sentence)である。


◆トピック・センテンスというのは、それぞれのパラグラフにおいて、そのパラグラフの話題が何であるかを打ち出している文のことである。トピック・センテンスはそのパラグラフの中心となるテーマを伝えるという非常に重要な役割を担っている。…英語でいうトピック・センテンスは、「トピック+筆者のコメント」という形にしなければいけない。…controlling ideaをトピック・センテンスにきっちりと組み込むと、そのパラグラフの目的・テーマがはっきりしてくる。このcontrolling ideaというのは、漠然としたトピックではなく、実際にそのトピックがどのように扱われるかという判断を読み手に示すものである。…パラグラフを構成する要素には、トピック・センテンスのほかに、パラグラフの大部分を占めるボディ(body)と呼ばれる部分がある。ボディは、支持文(support[supporting sentencesともいう])と呼ばれる、トピック・センテンスの主張をいわば支える文で成り立っている。支持文があってこそ、トピック・センテンスのcontrolling ideaが読み手にも納得されるのである。…パラグラフの最後に置かれるのは結びの文(concluding sentence)である。これは、トピック・センテンスの内容をことばを換えて言い直したものである。


◆まとめると、序論ですべきことは以下の通りである。
①扱うテーマに関して必要となる一般的な背景知識を読み手に与える。
②テーマを絞り込む。
③自分が述べたい意見を主題文としてはっきり述べる。
④エッセイ全体の構成を示す。


◆「過程」を表す文章を書く上で大切なこと
①読み手を意識する
まず書き始める前に、読み手(audience)がどの程度自分が書こうとしているトピックに対して知識があるのかということを知っておく必要がある。読み手のことを知ることによって、文中に何を含め、何を省くか、また、どの程度深く言及すべきかがわかってくる。…
②順序を時間的配列にする
③過程を完結させる
筆者が書こうとしているものに必要なすべての過程(process)を網羅することが大切である。何か大切な過程を省いてしまったのでは、読み手に誤った情報を与えてしまうことになる。…
④目新しいことばや珍しいことばには定義づけを行う
「過程」を表す文章では、やり方の知らない読み手にそのプロセスを教えるというのが一番の目的であるので、不明な点があっては何にもならない。したがって、読み手が理解できそうにないことばを使用する際には、その後の説明が必要である。
⑤必要であれば、各ステップの理由づけを行う
「過程」を表す文章というのは、あることに到達するまでの過程をただ単に並べるだけでなく、それぞれの過程がなぜ必要なのかという論理的根拠を提示することも大切である。理由づけをきちんとすることになり、読み手がその過程を省くことがないようにさせることができる。


◆論証文を書く際のポイント

●第1のステップ:
A. 論争のポイントを明らかにする。
B. この論争の背景知識を述べる。
C. その上で自分の主張をはっきりと打ち出す。
●第2のステップ:
自分の主張を裏付けるいくつかの理由(reasons)を述べ、それぞれの理由に十分な論拠(support)や証拠(evidence)を提出する。論拠として有効なのは、①統計などの数字、②専門家の意見、③多くの事例、などである。
●第3のステップ:
自分の意見と反対の意見の論点を論破する。
●第4のステップ:
結論として自分の主張を要約して繰り返す。
具体的な書式としては、次のようなアウトラインを利用するとよい。
[基本的な論証文の構造]
1. Thesis statement(主題文):設問で提示された話題に関し、自分のとる立場を明確にする。
● I agree.../I disagree...
● I would rather...
2. Pro argument(賛成意見)①:第1の理由(First,...)
     ↑具体的理由づけ
       ↑実例
3. Pro argument②:第2の理由(Second,...)
     ↑具体的理由づけ
       ↑実例
4. Pro argument③:第3の理由(Third,...)
     ↑具体的理由づけ
       ↑実例
5. Con argument(反対意見)+refutation(反論):反対意見になぜ自分は同意できないかを述べ、自分の意見の優位性の論証を試みる。
6. Conclusion(結論):今までの意見をまとめ、自分の主張をもう一度強調する。
● In conclusion,..


◆資料収集にあたっては、次のステップを踏むとよいだろう。
(1)第1段階:まず自分が論文として扱おうとしているテーマに関して広範囲にわたって概略的な情報を与えてくれる資料にあたる。
(2)第2段階:テーマについて概略的な知識を得た後は、本格的に専門資料を探すためにその分野の百科事典的な文献を探し、専門的な知識を深める。同時に各研究分野には、論文の要旨を載せている資料が編集されているので、それを参照して自分のテーマを絞り込む。
(3)第3段階:次いで、自分の研究テーマに関する専門的な文献にあたり、論文に引証できるようにする。


◆下書きを書く上での心構え12箇条


①スケジュールを立てよう
提出期限はいつなのか、いつまでに下書きを完成したらよいのかなどについてスケジュールを立て、目につくところに張り付けておき、それに沿って進めるようにする。
②下書き(草案)を書く
③一度ですべて書いてしまおうと考えてはいけない
時間がたつとまた違った考えが浮かぶこともある。一度きりで書き上げようとしてはならない。
④下書きにふりまわされるな
下書きはあくまでも下書きであり、それをずっと守ってその通りに書き進める必要はない。書きながら適当に変更を加えていくべきである。
⑤アイディアをのがすな
…書いている本文と別のページに思いついたことを書き留めるスペースを用意しておき、書きながら思いついたことをどんどんメモしていくと、後でそうした考えを発展させる時、大いに役に立つ。
⑥書き出したら必ず書き終えなければならないと考えるな
…自分にとって書きやすいと思われるところから、ともかく書いてみることである。
⑦多めに書いておく
後で削るのは楽である。…
⑧細かいところで行きづまるな
…細部は後からでも十分補えるものである。
⑨書き手の立場から読み手になって質問してみる
⑩書いている段階ではまだ消し去ってはならない
どんなアイディアでも後で必要になるかもしれない
⑪書き直す前に時間をとろう
アイディアがもっと出てくるかもしれない。書き終える前にゆっくり時間をかけて読み直そう。
⑫書き直しのためにスペースをあけておこう


◆推敲をするには、読者の立場に立って、つまり、客観的に自分の原稿を眺める必要がある。…
①原稿をタイプする
手書きの原稿はパソコンを利用して活字にしてみよう。活字になると自分の原稿を客観的に眺めることができ…論理的矛盾や誤りに気づくことが多い。
②原稿はしばらく眠らせる
…最低「一晩寝かせる」必要がある。…翌日、あるいは、数日経ってから原稿を眺めると、客観的に自分の原稿を眺めることができるようになり、思いもかけなかった新しいアイディアや表現、あるいは誤りに気づくことがある。
③他人の目を通す
…内容を知らない第三者に読んでもらうと、論理的に飛躍したり矛盾したりしている箇所、説明の足りない部分、あるいは、細かいところでは、ミススペリングまで指摘してもらえる。レポート、論文を提出する前には、ぜひ友人、知人に助言を頼もう。
④原稿を音読する
視覚のほかに、聴覚も使うとよい。日本語で書いた原稿でも、音読すると、黙読では気がつかなかった誤りを発見することができる。さらに余裕があれば、自分の原稿を音読し、第三者に意味の通じない点などを指摘してもらうとよいだろう。


◆他人に自分の書いた論文を読んでもらえるか否かは題名によって決まるといっても過言ではない。題名を決める時は、抽象的な漠然とした表現は避け、できるだけ論文の内容を具体的に表すものにする必要がある。


◆時間的に制約の多い読者に自分の論文を読んでもらうためには、いかに的確にかつ簡潔に論文全体の内容をまとめた要旨を書くかが決め手になる。要旨の長さは通常200~300語程度となっている。その中では、以下のポイントを述べることが求められている。
1)研究の目的
2)各章で述べられている要点
3)結論で述べられた将来に向けた示唆


◆序論はセールストークに相当する。序論を読んで退屈であれば、読者は残りの部分を読んではくれない。したがって、序論では自分の論文が読むに値するものであることを読者にアピールしなければならない。/序論に盛り込むべき要素としては以下の5点が挙げられる。
1)読者の関心を引く。
2)読者に自分の研究の背景知識を概略的に与えるために、論文で扱うテーマについてこれまでになされてきた先行研究を示す(review of literature)
3)これまでの先行研究で見落とされていた点を指摘し、自分の研究の意義を強調する。
4)論文の目的・趣旨を示す。
5)本論の構成を概略的に示す。


◆結論では、以下の3点を含む書き方が要求される。
1)論文全体の目的を再確認する。
2)本論で述べた内容を要約する。
3)研究の結果を踏まえて将来に向けた示唆を提示する。